こないだ友達とメシを食っていて、『おや?』と思うことがあった。
そいつは結構、その都度その場のノリで発言を決めたり、理屈による説明が苦手だったりするタイプなのだが、この日は違った。
非常に話が論理的だったのだ。
AだからB、BだからC・・というのを重ねたり、なぜEかというと、Dというデータがあってね・・という逆の説明をしたり・・。
意外さもあり、なにより話がわかりやすく、聞いていて非常に面白かった。
―さて、そろそろネタバラシをしよう。話題は実のところ、そいつが無茶苦茶ハマっているゲームについてである。
あまりにも没頭した結果、苦手なはずの単語を覚えたり、知識を組み合わせて作戦を作ったりという能力が、自然に鍛えられているのだ。
これこそある種理想の『論理的思考力の訓練』ではなかろうか。しかも、スピードは無茶苦茶早い。
こりゃ是非とも、教育に携わる人にはシェアしとこう。ってことで今日は、そんなお話である。
ハマれ!
まずは何でもいいから、何かにハマることだ。『夢中』とか『熱狂』ができると少しでも思う対象に、とりあえず挑む。
ぶっちゃけ、10個そういうのがあっても、9個はハマらないまま終わる。ここは子供の頃に戻った気分で、手当たり次第行くしかない。
そして自分の余った時間や金に飽き足らず、他の所からちょこちょこ持ってこようとするくらい入れ込んだら、このステップはクリアである。
知れ!
よほどのことじゃない限り、先駆者は居る。また、対象によっては、膨大なデータが揃っていることもある。次はそれを徹底して学ぼう。
例えば僕は一時期将棋に熱中していたが、その時は過去の棋士の手が全て書かれた『棋譜データベース』と、『wikipediaの将棋の手の項目』を読み漁ったモノだ。
大事なのは、積極的に知識を頭に入れる感覚なので、本当に媒体も内容もどうでもいい。敵の体力、希少な素材の入手場所、弱点部位、なんでもいい。
興味を持った対象については、どこまでも知識を調べ、頭に叩き込んでやろう。
使え!
僕が人生で一番深く長くハマっているのは『魚釣り』である。そのため、大抵の釣り方は知ってるし、テンプレな方法もほぼ習得してはいる。
―不思議なもので、ある程度その趣味を深めてくると、既存の知識や方法論が物足りなくなる時が出てくるのだ。
いわば、『こうした方が良くね?』という自分なりの仮説だ。こういう引っ掛かりを覚えたら、それは猛烈なチャンスだ。貴重な経験と学びを一挙両得できる。
例えばそれを紙に書き出し、それに特化したリサーチをさらにかけるのもいい。めんどくさければ、即実践すればいい。
良い方に転べばそれはオリジナルな武器だし、悪い方に転んでも、『こういう理由で他の人は手を出してこなかったんだ』という深い知恵が得られる。
つまり、こういう疑念を覚えたときは、言い換えれば王手飛車取り状態だ。チャンス以外の何物でもない。試さないのは最悪だが、後は全て良い方になる。
―ただし、最後のステップを飛ばさないように。
語れ!
それは言語化だ。もとい、誰かに発信することである。
人に語ることで一層シンプルな形で説明がまとまるし、何なら別目線のアイデアを貰えることだって多い。
リアクションを観察する余裕があるなら、『オチは最初の方が良さげだな』とか、『ここは例えを入れないとピンと来てないな』という試行錯誤にさえ繋がってくる。
たまに『ツマラナイ話をしたらどうしよう』という人もいるが、正直そのレベルが求められるのは、誰でも知ってる面白みに欠ける話をすることが前提のときくらいだ。
つまり、『授業』や『講義』の時以外は、そんなのより『熱量』の方が大事。声量とかそういうのじゃなく、楽しそうに語ってさえいれば、問題はまるでない。
極論、SNS上にポンと投稿するだけでも構わないだろう。その辺の敷居はガンガン下げてしまう方が吉。
以上!
ってことで、ここに書いたのが、最速最短の方法の1つだと僕は考えている。ただし、『これで論理的思考を鍛えるぞ!』と思ったら、マジで続かない。
これを子育て等に応用するとしたらどうだろうか?子供が何かに入れ込んでいる時、放置と没収以外に取れる手は何があるだろうか。
―少し考えたが、僕なら『質問』をしたり、『矛盾』を突いたりするのが良いかなぁと感じる。
凄く雑な例えだが、『このポケモンは鋼タイプだけど、何でじしんを使わないの?』みたいな。
それに『特性でふゆうを持ってるからだよ!』と返されれば、『ふゆうって何?』と返す。これもまた広義のコミュニケーションではなかろうか。
ま、僕には子供がいないので、どうしても無責任な響きを持ってしまうのだけど・・・。
では、今日はこの辺で。