集団討論だの面接だのが始まると、やっぱこんな質問が増える。
『自分の考えが言えないでちう』
―まぁ、これについてはざっくり2種類あると思う。
まず、『人見知り』とはじめとする精神的なバリアである。これは一度でも経験を積んだり、場数を踏んだりすれば、結構化ける生徒もいるのであまり問題視はしない。
実際僕も超人見知りだが、仕事スイッチを入れさえすれば20人くらいを前にダジャレを言ってスベっても平気だ。帰ってから酒を飲むけどさ。
しかし、実際はもう1つの方が問題として少数派なのに、もっと根深い。
それは、そもそも『自分の考えなんて持ったことが無い』というものだ。指示されて、命令されて、『はい』とこなして『よくできた』と褒められる。
こういう『型にハマった優等生』として人生を歩んできたタイプは、『我を出すことを悪』と考える傾向にあるため、上記のセリフが飛び出してくるという話だ。
しかし入試になれば、突然『あなたの意見を言ってください』と問われる。我を殺すことを評価されてきたのが、急に個性を求められる。これには同情せざるを得ない。
ま、それはさておき。実は、自分の考えが無いとか、大体は気のせいなのだ。知識不足とか細かいchipsは色々あるが、今回それは考えない。
この記事では、まず、『あ、自分にも考えってちゃんとあるんだ』ってのに気付くための簡単な思考実験を紹介したいと思う。
『自分の考えを述べよ』という問いを雑に分解すれば、『あなたは最終的にどうしたいですか?』→『何で?/どうやって?』というのをセットで答えるというものだ。
例えば、『将来したいことは何ですか?』と問われたら、『オーストラリアに行きたいです』と答え、『カジキが釣りたいから』という理由を答えるとか、そういう感じ。
ここで大事なのは、『自分で設定したゴールに、自分でロードマップを描けている』ということだ。筋が通っているとは、こういう話である。
実はコレ、自分が『熱中していること』に対しては、かなり自然にやっている考え方でもあるんですよね。
具体例などいくらでも浮かぶ。その子がRPGにハマっているなら、強い魔物を倒すためにどんなことをするか?を聞けばいい。
野球にハマっているなら、どうやったらもっと上手になるかを問えばいい。すると『自分の考え』なんてのは、驚くほどポコポコと飛び出してくる。
まずはこれで原体験を積んでみてはどうだろうか?自分の考え、言えるじゃんか、と。
―またそれ以外で日頃から経験を積むなら、『仮説・検証ゲーム』なんてのもオススメだ。
それは自分で勝手に『問』を作成し、『理屈』も作り、『検証』してみるというものだ。よくわからない。
例えば両手が荷物と傘で埋まっている状態の人は、歩道橋を渡るのか、信号が変わるのを待つか、自分なりに論理立て、その上で観察しても面白い。
ご老人や年端もいかない少年少女であれば、上る労力より待つ手間を取るだろう。でも、ある程度ガタイの良い成人男女であれば、さてどうか?
犯罪レベルに観察したら訴えられるが、その遊びって割と面白いのでオススメしておく。
―その段階でもないのであれば、『なぞなぞ』問題集を毎日やるのがオススメかなぁ。なかなかこれ、布教できないんですけどね。
あれって究極の『論理ゲーム』だと思うんだけれど。参考になればありがたし。
では、非常に短編だったけど、今日はこの辺で。