精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

生徒の「激しく怒るほどじゃないけど気にはなる」レベルの行動をどう減らすか、学び直した。 ―そして自分の授業から基礎が抜けていることを猛省―

気を利かせて肩代わりしていた仕事を、しれっと全部無視したらどうなっていくのか、経過観察するつもりの中元です。

 

最近、集団授業において「めんどくせぇ」と思うケースが増えてきた。タイトルの通り、「激しく怒るほどじゃないけど鬱陶しい」レベルの行動だ。

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例えば、手癖が悪いタイプ。或いは、全然関係ないタイミングで発言ぶっこんでくるタイプ。ちなみに、基本僕は両方積極無視である。

 

しかし、別の生徒の中には、そいつが例えば文房具を回したり、何かボソッと喋ったりするのが気になって我慢ならないというタイプもいるわけで。つまりめんどくさい

 

こういう文房具いじりは、多動性を抑えるための行動という可能性もあるため、むやみに禁止すると今度は身体を揺すったり、声が漏れたりと、悪化するケースもある。

 

そうなれば本末転倒だ。そして注意の仕方を間違えると、当人が「ウケた」「注目された」という報酬を受け取ったと勘違いする可能性があるため、意外と頭を使う。

 

それにそもそも、私語とか脱走とか奇声といったわかりやすい問題行動ではないため、どの温度で注意するかも難しい。怒鳴るとか、その手は使いたくねぇなぁ。

 

はい。こういうときは、やはり勉強するに限る「激しく怒るほどじゃないけど鬱陶しい」レベルの行動、つまりグレーゾーンな言動について、どう向き合うべきか。

 

以下、本なりネットの記事なりを読んで得た知識と、それらを基に試したいと思う仮説のまとめである。

 

 

絶対に外せないポイントは、【端的な指摘】→【ダメな理由の伝達】。

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ってことで、そういう「荒れたクラスとの向き合い方」みたいな実践集をまとめた本を再度読み直してみた。(4冊あるので記事のラストにまとめて紹介します)

 

すると、結構共通点として出てきたのは、【端的な指摘】→【ダメな理由の伝達】という流れであった。

 

短くズバッと、面前で行動を注意し、止めさせる。(この際、その個人を攻撃するような言い回しにならないよう絶対に配慮しなければならないのは当然。)

 

そして必ず、ダメな理由も言うこと、とあった。指導だけで止めてしまうと、「先生が気分で怒った、八つ当たり!」と解釈され、信頼を失う結果になるそうだ。

 

例えば授業中に発言をしてしまうなら、まずは「やめなさい」と言って、止めさせて、そのうえで「他の生徒の迷惑になります」という理由を添えるという感じだ。

 

尚、好ましい行動に切り替える姿勢が見えたら、その瞬間に肯定するという施策までやって、いっちょ上がりだという。

 

授業はガチンコ勝負という言葉の意味が、今はひしひしと伝わってくる。

 

具体的に心掛けたい施策とは?

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とぉにかくこれまた強調されていたのが、【見通し】である。

 

つまり、授業一つとっても、【何を、どれだけするのか】だけでなく、【終わった後の行動】示さないから荒れるのだとあった。

 

まずは見通しをしっかり示すことで、"荒れ"の兆候を食い止める。これが全ての基本にして、守られていない時点でプロ失格とまで言われるポイントであった。

 

ではその"荒れ"の兆候とは何なのか?それは、矛盾である。もっと言えば、「あの子はいいのに僕はだめ」という判例のことだ。

 

とある本に、【教師とは、司法・立法・行政のすべてを行使しうる専制君主だとあった。冷静に考えれば、まさにその通り。

 

だからこそ、全体を統率しなければならず、かつそのための施策全てに説明責任を負わされるのだ。

 

―ではどうすれば、その矛盾を起こすリスクを減らせるのか?ここでも指針となるのは主に2点。

 

① 別個の対応をしない。

 

② 基準は最初に示す。

 

以前も何度か書いたし、自分自身もそう思うのだが、説明中に質問を受けると簡単にクラスは荒れる。断言するが、簡単に、荒れる

 

質問は、説明が終わってから受ける。そこは絶対に譲ってはならない。(精神が成長していないと、疑問点は聞いているうちに解消されるという発想が無いこともあるそうだ)

 

また、「ルールブックは俺なのだ」的な司法などゴミであり、ちゃんと基準と根拠は最初に伝えて、自らもそれに従うことが必須とあった。これは当然だが・・。

 

ということで、いささか抽象的だが、ここまでが大多数の生徒にあまねく通じる教員側の心掛けである。

 

ただ、クラスも規模がでかくなれば、中には【問題児】とされる生徒が混ざってくる。その中身は、診断を受けた生徒から、ネグレクト状態まで、さまざまだ。

 

そういった生徒に対しアプローチするには、どうすればいいか。最初に言っておくと、【叱り飛ばすと100%悪化する】とあった。

 

そうすることでワーキングメモリーを一瞬で埋めてしまい、パニックになったり、逆に攻撃的になったり、つまり攻撃性のトリガーを引いてしまうためだ。

 

集中に難がある生徒については、マルチタスクをさせないこと、そしてあり余るエネルギーを発散させることが大切とされていた。(或いは多動のトリガーを消す)

 

特にマルチタスクについては、「え?そんなことも?」と思えるようなことがNG例になっていた。例えば以下の指示、好ましくないポイントは何だろうか。

 

(机の上に何もない状態で)

 

テキストのP30を開いて、大問1を解きなさい。

 

―実はこの中には、「テキストを出すこと」「30ページを開くこと」そして、「筆記用具を出すこと」「大問1を解くこと」が同時に含まれているのが問題である。

 

しかもトドメとして、「終わったら何をすべきかの指示が無い」のもNGとされていた。だから終わった瞬間、ごそごそやもぞもぞが始まるのだ。

 

ここは簡単にハマる罠なので、絶対に気を付けたいポイントだ。

 

尚、あり余るエネルギーの発散とは、長時間同じ姿勢や刺激にしておかないということだ。実際僕も、人の話を聞くのは15分持たない。

 

それを解決する術として、本の中には結構面白いアイデアが紹介されていた。できそうなものから、僕もやってみる所存である。(理由も添えてね)

 

① ホワイトボードに答えを書かせる

② 起立して音読

③ 意見を言い合わせる

④ 簡単なゲームを実施する

 

―しかし、こういった小手先の理屈を振りかざしても、最終的には義理人情といったウェットな部分にどう踏み込むかもまた力量とされていた。

 

「やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という山本五十六の言葉は、教員が死守すべき基本原則だという。

 

収束するところはシンプルにして明快だが、その道のりは艱難辛苦。これは肝に銘じた方が良さげである。

 

好ましい行動は、絶対に一日では定着しない。

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ただ、本が違えど、異口同音に念押しされていたのが、【1日じゃ絶対に改善しない】という事実であった。

 

多くの悩める教員(講師)は、この地獄が立ちどころに解決する魔法を求めて本を開くことが多いのだが、そんなものは無いと最初に書かれているのだ。

 

ただし、地獄を脱出する方法は絶対にあるとも強く書かれていた。

 

さらに、あきらめないこと、継続すること、そして周囲の支援の重要さが添えられていた

 

例えば、実際に紹介されていたケースに、「俺はバカだ」を口癖とする、鉛筆を握ることすらせず問題行動を引き起こしまくる生徒の例があった。

 

この生徒は最終的に漢字テストで100点を取るところまでいったのだが、それに要した時間は4か月以上である。

 

この根深さと、問題の強さは、想像を絶する。逆に言えば、1日でどうにも直らないのは普通の話なので、その段階から病んでも仕方がないとも言える。

 

実際にやってみた。

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 ということで、ある日の集団授業で、早速できそうなことを実践してみた。

 

ペンを持つとペン回しして、落としてガタンという音がうるさい生徒が2名いるので、ここをさりげなく封印することを目的とする。

 

そこで改めて徹底したのは、説明中の質問はスルーということと、全作業の制限時間の伝達と、早く終わった生徒への指示を出すことである。

 

さて。あとはペンを回さずに済むように、ある程度の発散と、トリガーの撲滅を心がければいいだけだ。

 

観察すると気づくのだが、彼らは手持無沙汰のときに手悪さをする。であれば、手持無沙汰にしないことと、手持無沙汰気味のときにペンを持たせないことが要となる。

 

ってことで手始めに、単語を音読する際、両手でテキストを持つように伝えてみた

 

理屈としては、勝手に背筋が伸びて声が出るというのを伝えたが、その実はペンを持たせないためである。

 

その後で、発問の回数を何倍にも増やした。具体的には、テキストをところどころ”読ませる”ようにして、説明をガチで最低限にしてみたのだ。

で、問題演習は終わった際の指示も伝達して終了。そして驚いた。

 

感動的なまでに思い通りに進行したのだ。まさに平和な授業時間だった。

 

あーあ。歪んでいたのはやはり講師の側だったかぁ。慢心していた節があったかもなぁ。でもおかげで、矯正しようと省みることができたから、いっか。

 

もちろんこれらがそのまま作用することは無いが、参考になっていれば嬉しい。では今日はこの辺で。

 

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