古典を教えていると、今目の前にしている社会との乖離が激しすぎて、なんか頭がくらくらする中元です。糖質が足りていないのかな?
はい。夏休みも終わりが近づき、また【単語テスト】という恐ろしい存在に頭を抱える生徒が増えてきた。
勿論、例えばディスレクシアを持っていて、天性のレベルで漢字を覚えられないといった事例はあるが、それは少数派である。
どちらかと言えば、正しい暗記方法を知らないがため、覚えることができていないというケースが大半だ。
こういった場合は、その"正しい"暗記法をしっかりとレクチャーすることで、跳ねる可能性が大いに残されているわけで。
てことで今回は、僕が使ったり、あるいは指導してきたりしたうえで、「効果が出た暗記法」に絞り、ご紹介してみようと思う。
イメージ法
まず最初に推すのが、イメージ法だ。今までは「セルフイマジネーション」という言葉で教えていたが、最近はこの言い方にしている。
簡単に言えば、「その語句の意味に合う場面・人の画像を頭に浮かべる」というもので、今現在の僕のメインウェポンはこれだったりする。
例えば、【blame】という英単語なら↓みたいな場面を想像するし、
【めでたし】という古文単語なら、【wonderful】という英単語を連想する。
やってみると意外と簡単なので、ぜひ手軽に試してみてほしい。大体の英単語や古文単語の意味程度であれば、これでサクサク頭に入るのでお試しあれ。
ジェスチャー法
イメージ法とセットで用いたいのが【ジェスチャー法】だ。簡単に言えば、単語の意味に合う動作を実際に行いながら、頭に入れていくことである。
【expand】であれば、スマホで地図を拡大するときの指の動きをすればいいし、【concentrate】であれば、顎に手を当てて考えこめばいい。
身体の感覚と紐づけて記憶していくことは、暗記の基本ともいわれている。実際、優秀な生徒は暗記をする際に、どこかしら体が動いている印象もある。
こちらも、【イメージ法】とセットで用いてほしい。
分割法
スペルに特化した暗記法として、最後に【分割法】を推す。これは簡単に言うと、言葉を区切って覚えるというただそれだけである。
最近はその上限が減ってきていることに驚いたが、人間が瞬間的に覚えられる情報の限界は、ざっくり7±2という話がある。
つまり、【interesting】という語句のスペルを一発で覚えられないのは、文字数を考えればそりゃそうだろうという話なのである。
これに対し効果を発揮するのが分割法だ。区切りの良いところで単語を分けて、大きなカタマリ1つではなく、小さなカタマリ2つを覚えるという風に切り替えるのだ。
やたらと覚えにくい【dictionary】も、【diction / ary】と区切ると、ちょっと覚えやすくならないだろうか。
本当にちょっとした工夫なのだが、スペルといった書きの部分の暗記に効果は高い。頭の片隅にでも入れておいてほしい。
おまけ:やったことないけど面白そうな学習法【記憶の宮殿】
最後に、やったことないけど興味がある学習法をご紹介。【記憶の宮殿】という方法で、イメージ法に結構近いやり方である。
簡単に言えば、
① ある空間を頭に浮かべる。(自分の家や学校、職場など、自分になじみにある場所がいいらしい)
② その空間に、覚えたい語句をイメージ化して配置する
てな感じ。上記の方法との使い分けだが、こちらは完全に予備知識のない語句の羅列を覚える場合に向いていると考えている。
例えば、僕が試そうと考えているのは、いわゆる「イオン」である。水酸化物イオンとかそういうやつは、素養が無さ過ぎて暗記に本当に難儀しているので・・。
これを試してみて、何かしらの手応えがあったら、生徒へ積極的に伝えていこうと考えている。
―ということで、やや尻切れトンボだが、今日はこの辺で。