今日、少し上司とケンカしそうになった。簡単に言えば、僕はBという部署を預かっているので、Bの顧客に”だけ”指示のあったメッセージを送ったら、怒られたのだ。
「そこは全体に送るべきだと考えればわかるだろ・・」という呆れながらの怒りであったが、正直「・・・何言ってんだろう」という呆れが、僕の中でも先立った。
過去何度も【越権行為】で怒られてきて、いい加減部下としてストレスの少ない立ち振る舞いを学んだ矢先、「気が利かないこと」を怒られる。謎だ。
だがこの感情は1分程度でスッと消えて、この歪な点をどう改善すれば、今後こういう面倒なことは防げるだろうかと、建設的な思考に持っていくことができた。
原因はすごく簡単だった。何が誰の役割なのかが曖昧であることだ。抜けている仕事を補佐するとかしないとか、気付いた人がやるとか、そういうことすら不透明という。
恐らく上司の中では、気付いた時点でその人がやるものというのが価値観・常識なのだと思う。それは否定しないが、それが僕に共有されていないのが落とし穴だった。
かくいう僕自身は、役割は明確に切り分けて、越権行為はできる限り取らないし取らせないのが理想と考えている。しかしそれを共有できていなかったのだ。
正直、どっちの思想が正しいか、答えなんて出るわけがない。上司の価値観にも僕の価値観にも、メリットデメリットは両方存在するわけで。
むしろ組織図という観点からは、僕がその価値観に従う方が正解だった。今はちょっと反省している。(後で報告だけ共有すればよかったのだ)
とはいえ、改めて実感した。明文化されていない役割は、やはりただの地雷だ。いかにそれを察知して、取り除くか。つまり、言語化するか。これが僕の課題だろう。
今日はそれをベースに、何度目かわからない自問自答を書いてみよう。
「雰囲気」や「空気」に依存すると生まれるモノ。
「仕事は自分で見つけるもの」「指示待ち族は論外」といった美徳がある。使われる者の矜持とでも言おうか、これが出世する人間の考え方だ、ということだろうか。
これが作用することもあるし、そもそもの考え方自体は尊いと思う。しかしやはり、それも場合によりけりだ。
例えばスポーツの世界で考えたらどうか。仕事は自分で見つけるということで勝手なポジションに就き、指示待ちは論外ということで勝手にワンマンプレーに走る。
どうだろうか、最悪の選手では無かろうか?しかしどうして、仕事とスポーツではここまで印象が変わるのか。
それは恐らくルールの有無だ。絶対に守るべき、超えてはいけない何かが設定されており、それをきちんと理解した状態で、自分なりに頭を使って行動する。
こういう前提があれば、確かに「仕事は自分で見つけるもの」「指示待ち族は論外」といった美徳は、その通りの意味となって腹落ちできると思う。
そして、リーダーの仮面以外にも、色々なリーダーシップに関する本を読んだが、失敗と成功について不気味なほど共通するのが、この”ルールの有無”だった。
崩壊するチームはあちこちに「曖昧」があり、何を誰がどこまでいつまでにやればいいのかがいつも有耶無耶といった点が共通するようだ。
一方、まとまりがあるチーム、成果が出ている組織には、定性的なルールがきちんと存在し、それによって統制が取れているという共通点がある。
ルールがあれば必ず成功するというわけでもないが、ルールがないまま曖昧な状況と好意に甘えていると、組織として極めて危ういと考えるのは、差し支え無さそうだ。
今回僕と上司で軽く衝突したのは、この曖昧の解釈のギャップである。こういった落とし穴は、まだまだ存在するはずだ。
「明文化はされてないけど、こう動くのが常識だよね」という部分に対する感度を如何にして高めていくか。
交代まで日数が減ってきた今、リストアップはもう始めていかねばならないだろう。
終わりに:ただ引き継ぐだけで終わらせる気はない。
ぶっちゃけ、長という立場は5分後にも引き継ぎたいという思いはある。自己顕示欲の表れかと不安になることもあるが、同じくらい自己嫌悪も強いので、多分大丈夫。
僕の代で校舎を潰すという未来もあるが、繁栄する未来だってあるはずで、現状維持のままトントンになる未来も同様に存在する。眩暈がするほどの自由が開けている。
しかし、今までの人がやってきたのと同じことをだらだらと引き継ぐ気は、全くない。でなければ、交代する意味など無いからである。
僕は定められたルールの中で、結果を出すために、チームで成果を出しに掛かりたい。僕だって最初から、ヘンな衝突や軋轢など、生み出したくないのである。
まずやることは、社長としっかりと話をして、校舎の長である僕に求めるものと裁量の範囲を明白にすることかな、と。
地雷原はここからここ、という風に教えてほしい。でなければ、曖昧さという爆弾を踏むリスクを抱えたまま、僕は心をすり減らさねばならなくなる。
そこからの話はもうトライアンドエラーの繰り返しで叩き上げていくしかあるまい。改めて腹が決まりましたわい。
―ということで、カチコチに凍った道路を今から帰るので気が滅入っているけど、今日はこの辺で終わりにする。