精神年齢9歳講師のブログ

校舎での出来事、読んだ本、つまりインプットを全てアウトプットに変える実験場、的な。

AIに仕事を盗られる云々を議論する前に、AIを最近使いましたか?

AIに関する議論が活発だ。主にそれを使ってどんな楽しいことができるか・・・ではなく、AIに何を奪われ得るかという恐れの方が先に立っている気がするけれど。

 

一昔前だと、クリエイティブな分野こそ人間の残された最後の領域と思われていたが、ここ1~2年で、その前提は完全に崩れた

 

人間には不可能な量の作品を学習することで、あらゆることを模範することも、また指示に合わせて生み出すことも、もう可能になっている。

 

ただ上手いだけの絵描きは、ある意味完全に淘汰されているのだ。最近では、AIが本を書けるようにもなっている。予測とはここまで呆気ないものなのかと思う。

 

だから僕が受け持つ生徒も、色々と恐れていた。「一体どんな仕事に就けば、僕らはAIに奪われずに済むんですか?」と。

 

・・・なんというか、ズレてるなと思った。ただ、そんなこと、学校でもまず教わらないよな、とも思った。

 

AIの限界はどこか。AIには何ができて、何ができないのか。そういう議論は活発だが、ここで一つ質問。

 

AIを最近、使いましたか?

 

今日はその上でのお話を書いてみる。

 

 

何ができて、何ができないのか。そんなん使えば一撃で分かる。

 

AIには何ができるのかを考える際、ちょっと驚くのが、実際にAIを使ってみた人の少なさだ。(僕の周りだけかもしれないが)

 

それこそ有名なChat-GPTもMidjourneyも、後者は試用期間内という但し書きはつくが、無料で利用可能である。

 

自分なりに10分くらい遊んだだけでも、これができて、あれができないというのは、ぶっちゃけすぐに理解することは可能だと思う。

 

まずChat-GPTは、質問に答えたり、文章を要約したりするのは極めて得意だ。ただ、蓄積されたデータをまとめるのは、こないだ試したらできなかった

 

実際、「第一子出生時の男性の平均年齢はここ10年でどう推移しているのか」尋ねてみたら、こんな答えが返ってきた

 

ここ10年で日本人男性の初めて子供が生まれる年齢について、具体的な統計データを提供することはできません。また、私の知識のカットオフは2021年であり、最新の統計情報を持っていません。

ただし、一般的な傾向として、日本においては男性の初婚年齢が上昇しているとされています。これにより、初めて子供が生まれる年齢も遅くなる傾向があると言われています。これは、経済的な要因や個人のキャリアや教育への投資の重視などが影響している可能性があります。

ただし、地域や個人の状況によっても異なるため、一概には言えません。具体的な統計データや研究を参照することで、より詳細な情報を得ることができます。日本の厚生労働省や統計局などの公的機関が発表しているデータや、大学や研究機関が行った研究を参照することが有益です。

 

いずれそれも改善されるのだろうが、PDFデータとしてネット上に存在するものを引っ張ってくることは、まだできないようである。

 

つまり現時点では蓄積されたデータを分析して何かしらの情報や仮説を取り出すのは、まだ人間の領域なのだと言える。

 

―ちなみに、データを分析するために使える【手法】について持ってくるのは、Chat-GPTの得意とするところだった。

 

アンケートを分析する手法について尋ねたところ、自分が知らないそれについて、簡潔にまとまった答えが返ってきた。

 

アンケート分析には、様々な手法があります。以下に代表的な手法をまとめて説明します。

  1. データの集計 アンケートに回答したデータを数値化し、集計することで、どのような傾向があるかを把握することができます。例えば、各質問に回答した人数や割合、平均値や中央値、標準偏差などを求めることができます。

  2. 相関分析 相関分析は、2つ以上の変数がどの程度関連しているかを調べる手法です。アンケートで質問した複数の項目の間に、どのような相関があるかを調べることができます。例えば、年齢と購入金額の間に相関があるかどうかを調べることができます。

  3. 因子分析 因子分析は、多数の質問項目から、それらをまとめた因子を作り出す手法です。アンケートで質問した複数の項目を統合し、それらが表す共通する要素を明らかにすることができます。例えば、質問項目が「価格が安い」「品質が高い」「デザインが良い」の3つある場合、これらを統合して「製品の魅力」という因子を作り出すことができます。

  4. クロス集計分析 クロス集計分析は、複数の質問項目を組み合わせて分析する手法です。アンケートで質問した複数の項目をクロス集計することで、例えば男女別、年齢層別、地域別などでの回答傾向の違いを明らかにすることができます。

  5. テキストマイニング アンケートで質問した回答文を分析する手法です。テキストマイニングによって、回答者が何を求めているか、どのようなニーズがあるか、不満点や要望があるかなどを分析することができます。テキストマイニングには、自然言語処理技術を用いることが一般的です。

以上が、アンケート分析に用いられる代表的な手法です。これらを組み合わせることで、より詳細な分析結果を得ることができます。

 

―こんな風に、実際に使うことで初めて、手触り感をもって議論とやらができるように僕は思う。

 

銀行や公務員、薬剤師といった華の仕事がAIに代替されるだろうという指摘はすごくその通りだと、実際に使った結果、どうしても思えてくる。

 

そして、Midjourneyにも得意不得意はある。まず、実在の動物や風景を描くのは、完全に人間のレベルを超えている。例えば以下の画像は、写真ではなく、絵である。


しかしながら、固有名詞、キャラクター、架空の風景、2種類以上の生き物等を描くのはめちゃくちゃ苦手らしく、ヘンなイラストがどうしても上がってくる。

 

例えば「便器で考え込むウルトラマン(意味不明)」と打ち込むと、中国のそれみたいなキャラクターが生成される。5回くらいやり直したが、結局ダメだった。


これもいずれすぐ克服されるだろうが、大量の資料が”存在しない”ものを学習し、絵に起こすことは、まだ難しいようである。

 

ジブリ風に〇〇を描いてみたとか、そういうイラストはまだ、人間の方が得意なのかもしれない。いずれにしても、現時点の話なんだけれども。

 

ただしPixivの規約が改定された際、「AIにより画風の盗作被害が報告され・・」という文面を、どこかで読んだ気がする。

 

ヘンな話、あの人の画風でエ〇い漫画が読みたいということが、AIの力で可能になっている界隈が、僕の知らないところにあるのかもしれない。

 

となれば、絵を描くことについて人間の役割は何なのか、また再考が必要な風に思う。ストーリーをゼロから創ることがそうなのだろうか。

 

ぼんやり考えていることは無いわけではないが、まだ言葉に落とし込めていないので、特に書かずに終わっておく。

 

AIが介入しない職業など無い。


ここで、最初の生徒の質問に答えてみよう。「一体どんな仕事に就けば、僕らはAIに奪われずに済むんですか?」

 

僕ならこう答える。「そんなんないよ」と。正確に言えば、どんな職業にも必ず、AIで代替可能な部分が登場し、拡大するという意味である。

 

例えば塾の授業でも、話したり教えたりするのは僕だとしても、それに使う材料やネタを探すのは、AIに任せたっていいはずだ。

 

また、映像授業コンテンツを管理する場に当たっては、生徒の過去の傾向を分析し、提案し、進捗を管理すること全てひっくるめて、AIがやるケースも登場している

 

堅苦しく言えば、人間でいう「思考」に当たる部分は、AIの方が強い部分もある。英語の和訳も、和文の英訳も、まずAIに任せて、変なところだけ直せば、すぐ終わる。

 

ただし、今のところの限界はアイデア出しまでだ。そこから先、例えばAIが図面を引いた棚を実際に作るといった部分は、まだ人間の仕事である。

 

逆に言えば、これまで脳内だけで完結していたことはすべて、AIとメタバースの管轄となる。僕はそう考えている。

 

脳内で想像上の彼女と日夜デートしていた人たちは、いずれVRによって、バーチャル世界という同じ空間と時間を、愛しの彼女と過ごすことだって可能になるだろう。

 

だからこそ、職業というデカ過ぎる枠組みで考えるのではなく、さらに細かい業務内容に分析し、これは人間、これはAIと建設的に考える方が吉だ。

 

そうして初めて、共存できるなんて牧歌的な話ではなく、世の中から必要とされない人間に堕ちることを避けられるのではないか

 

どんな大学に受かろうが、知識の更新という意味で、勉強からは逃げられない。早めに覚悟を決めておいてよかったなと、今ひしひしと感じている。

 

では今日はこの辺で。

 

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