コロナウィルスショックで、僕の住む県の学校も軒並み『休校』となった。
期間が期間なので、そのまま春休みにドッキングする学校もあるらしく、それを聞いた瞬間の生徒は嬉しそうだったのを覚えている。
―だが、現実は甘くない。進まない単元を補うべく、結構鬼の量の課題が、小中高問わず課されたらしい。
その多さに面食らい、そもそも全く手を出せてない生徒も多いと聞く。こういう場合は根性論でもいいが、技術を伝えた方が吉だろう。
ということで今日は、大人にも効く、『大量の課題』を上手く捌く術を、ギリ小学生にも応用できるのに絞ってまとめてみる。
STEP1:総量をざっくり確認する。
昔読んだ本に書いてあったフレーズで、言い得て妙な表現がある。
「ぼくらはみんな見積もりが下手だ」
これが意味するものは、1時間で終わると思った作業が半日掛かったり、逆に半日掛かると見込んだ作業が1時間で終わったりという現象である。
なぜこれが起こるのか?それはそもそも、タスクに取り組む前に、その総量を把握していないのが原因である。
そしてよほどの楽観者じゃない限り、大量の宿題に対し、掛かる時間を超盛って見積もるものだ。(1日10時間とか)
そして、取り組む前からそのボリュームに圧倒され、結果、なかなか手が出ない・・という悲劇を引き起こしてしまうのである。
ということでまず、課題が手渡されたら、ぱらぱらと全体を確認させるようにしたい。実際に量が多かろうが、総量が分かればだいぶ楽になる。
声掛けとしてはこれが一番最初である。
STEP2:”ざっくりと”計画を作らせる。
そして総量が分かったら、具体的にどう取り組むかの計画作成に入る。
ただし、決して超綺麗で無駄に色遣いが鮮やかなそれは作らせないようにすべし。
時間は掛かるくせに、大したものを生まないからだ。僕はぶっちゃけ、あの謎に整った計画表が嫌いである。
話を戻そう。計画表と言っても、以下の点だけ意識して、裏紙か何かに書けばOK。
①(ざっくり)期限の真ん中でどこまで行っていたいか
↓
②そこから逆算して出た、1日当たりのノルマ
後はこれを日々ちょこまかとこなすだけだ。作成に掛ける時間は、長くて10分。それ以上使っても、クオリティに大差はない。
―尚、もし生徒やあなたが完璧主義者なら、日割りのノルマ達成に失敗した場合、そこで簡単に計画が頓挫する可能性が高い。
だからこそ、『1日当たりのタスクはあくまで目安、中間目標の時点で出来ていればいい』という風に、ゴールをぼかすのがオススメだ。
また、あくまでページ数だけをノルマにしておいて、毎日やる科目等をその日に考えても良い。(僕はこのスタイルである)
ゴールはキッチリ、そこまではファジーに。これが達成のコツである。
(かしこいヤツ向け)STEP3:タスクを仕分けさせる。
この項は、ちょっとセンスが求められる作業になる。それは、
課題のタスクを分類する
というものだ。その観点は、大きく分けて2つ。
①アウトプット系
例)日記、計算ドリル、国語読解問題など
②インプット系
例)漢字書き取り、課題図書の読書など
なぜこうするかというと、集中力を出来るだけ持続させるためだ。
jukukoshinohibi.hatenadiary.com
一説によれば、質の違うタスクに意識して切り替えることで、トータルの集中時間が伸びるのだという。
前にも書いたが、同時に『ポモドーロ・テクニック』を組み合わせることで、かなり効率的に勉強が進む。
小中学生には少し難しい話だが、自分が見て『かしこい』と思う子だったら多分出来るので、積極的に薦めてみてほしい。
STEP4:環境は課題消化用に作り替える。
さて、いざ課題への取り組みを始めようという段階になったら、身の回りの環境をそれに特化して作り直すのをオススメする。
つまり、『やるぞ』となったらすぐに課題ができ、かつ気が散らないような環境に整えるという意味だ。
前者はハッキリ言って簡単で、いちいち解いたテキストを閉じない、仕舞わない、筆記用具を片付けない。これだけだ。
使うたびに仕舞うのは、一見良いことに聞こえるが、自分がメインで使う場所なら他人に迷惑が掛からないので片付ける必要も無いだろう。
しかも、片付ければ、また準備するという手間がかかる。この手間が、課題に向き合うエネルギーを大きく削ぐのだ。
他の人から見て、少し散らかっているように見えるぐらいがちょうどいいということである。
僕の机上も見る人が見ればやや散らかっているが、我ながら機能的にモノを配置しているので、全然困っていない。
さて、今度は後者について。勉強するとなったとき、視界に娯楽は入っていないだろうか?あるなら、それを取り除こう。
視界の片隅に漫画が見えるだけでも、集中力は激減する。これは体験としても感じる、間違いない話だ。
例えばドラックストア等に売ってあるフタ付きのカゴなどを買ってきて、勉強の際はそこに娯楽を片付けるのがオススメ。或いは机の引き出しにIN。
こうして環境さえ創ってしまえば、取り組みやすさは大きく改善される。ほとんど金も掛からないので、最後の仕上げに行わせよう。
終わりに。
これは僕の想像だが、多分課題を出す側も、少しくらい後ろめたさがあるのではと思う。
いくらなんでも、『ほ~ら苦しめ学生ども』みたいな腹黒さを以て、200ページとかそんなク〇みたいな量を出す人はいないと信じたい。
―となれば、セットで『それに取り組む方法』も伝えればいいのになとどうしても思ってしまう。
『それを考えるのもまた勉強だ!』という意見もあるかもしれないが、生徒の時間をいたずらに奪ってしまうリスクが高すぎるので、あまり賛同できない。
ある意味、『大量の課題』は、普段は鍛えづらい要領とか段取りの力を磨くチャンスなのだ。そう解釈して、利用するくらいが良いとも思う。
鬼のような課題に気圧される生徒が、ここにまとめた方法のどれかによって、一人でも少なくなることを願っている。
それでは今日はこの辺で。