以前、【目標】についてちょこっと書いた。
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内容を簡単に言うと、『ゴールが抽象的だと、まず努力は続かないし、なにより面白くない』という感じだ。
例えば、?m走なんて競技があっても、とりあえず僕は参加したくない。ゴールが見えない以上、努力の仕方が意味不明だからだ。
そしてそれは、声掛け側にも言えることだ。あなたは生徒に何も考えず、『平均80点は絶対超えろ!!!』とか言っちゃったりしてないだろうか?
とりあえず僕は、生徒の目標を一緒に考えるにあたっては、そういう絶対評価はまず作らない。その学校のトップ層ならすることもあるが、普通はかんなり考える。
以下そんなお話。
いきなりだが質問。2つの事例をちょっとイメージしてほしい。
とある生徒が数学で40点を取ってきました。あなたはどう反応するだろうか?
また別の学校の生徒は、英語で80点を取ってきました。あなたはどう反応するだろうか?
『前者は叱り飛ばし、後者は褒める!』と思った方は、さすがにいないと信じたいが、ちょっと浅い。浅すぎる。
これには色々な、隠れた前提条件が考えられるためだ。
もし前者のテストが、50点満点だったら?平均点が15点とかであったら?実はずっと1桁だったのが、この点を取ってきたという状態だったら?
後者も同様だ。もし200点満点だったら?平均点が95点とかだったら?実はずっと100点だったのを初めて崩したという状態だったら?
―こんなわけで、目標設定の際はその裏に隠れている前提まで把握しておかなければ、不必要に自尊心を折ったり、ぬるすぎるゴールになったりしてしまうおそれがある。
だから僕は、流石に全員ではないけれども、結構密にカウンセリングしながら目標点数を考えるようにしている。特に平均点が大変なことになる高校生からはなおさらだ。
学校の平均は?内申点で取りたい数値は?親からはどの水準を求められている?あなたはどれくらいとれば満足する?
等々を踏まえ、落としどころを探る。例えトータルの数値が下がっても、平均点を超えていれば良し。逆もまた然り。基準を作った以上、絶対的にブレさせない。
僕は深く考えもせずに作った、絶対無理やんとしか思えない高い目標が嫌いなので、現実的にできないとわかった時点でブチ捨てる方向に説得する。
それか、中間目標とか撤退ラインとか言った言い方で、強制的に区切る。自尊心とは本当にデリケートなのだ。一度ゼロになった僕が言うんだから、きっとそう。
『目標』を作るのは本来めっちゃ難しいのだ。そうでなければ、コーチという仕事があそこまで市民権を得ているわけがない。
深く考えず数値をポコポコ決めるクセがあるのなら、一度顧みてほしいテーマである。では今日はこの辺で。