僕がまだ小学生だったころ、廊下にすごくキャッチ―なポスターが貼ってあった。詳しい記述は忘れたが、『ゲーム脳』についてのものだった。
それにはざっくり、ゲームにハマることで、人格形成に悪影響があり、キレやすくなり、また学業に支障をきたす!みたいなコワーイことが書いてあった。
僕自身重度のゲーマーだったので、それを錦の御旗にあれやこれやと生活指導を食らったものだ。
・・・だが、最近たまたま中学校の中に入る機会があった。すると、あれだけ席巻していた『ゲーム脳』ポスターが、一枚も見当たらなかったのだ。
気になって調べてみると、結構面白い説が新たに誕生していると分かった。常識ってやはり変わるのですなぁ。
と言うことで今日は、昔流行った通説の"今"について、懐かしさも覚えつつまとめてみようと思う。
ゲーム脳。
ことの発端は、2002年に発売された本にさかのぼるのだという。僕の義務教育期間と完璧に一致するため、なんか嬉しい。
さて。すごく乱暴に『ゲーム脳』がどういうものかを述べると、大体こんな感じ。
(テレビや携帯の)ゲームに熱中していると、脳の機能が無茶苦茶落ちるぞ!結果、犯罪行為にも繋がり得るぞ!
みたいな具合である。この当時は20代前後の年齢層による過激な事件がいくつかあったのもあり、説得力を持って広く報道されたらしい。
※細かい経緯や、その主張の厳格な定義は非常に膨大なものであったので、興味がある方は時間があるときに読んでみてほしい。
では、ここまで『脳にとっての悪』とされたゲームは、今『脳科学的には』どう考えられているのか?
なんと、極めて面白い説が発表されていた。
簡単に言えば、実際に脳にあんま良くない影響がある(らしい)ゲームもあるが、なんと良い影響がある(らしい)ゲームもある!
と言う内容だ。どういうのが良いのかと言うと、
- リアルタイムの判断を要求される
- 謎解きの要素がある
- 3D空間を飛び回れる
という3つの要素を満たしているヤツ、らしい。
とりあえず現在は、『ゲームは十把一絡げに悪なのだ!』というのは暴論とみて間違いなさげ。ゲーマーであるが故、非常にほっとしている。
朝食至上主義。
『朝ごはんの重要性』を説くポスターも、本当に数多く見た。元気いっぱいの猫と、眠たげな牛が書いてあったそれを覚えている。
『食べないと頭が働くわけないじゃん!』みたいな触れ込みで、『朝ごはんを食べないとバカになる!』みたいなメタも込められていたと思う。
しかし、そこまで過度に気にすべきことなのだろうか?そんな疑問を持たれるかたも多いと思う。
何と現在では、『別に食べなくてもいいんじゃね?』という説が爆誕しており、それに関する研究も論文も、数多く発表されているのだという。
これによれば、抜くことによる害は別にないのだという。(一例だが、脳機能も別に悪くならないっぽい)
一番悪いのは、『食べたり食べなかったり』とのことなので、どちらか一辺倒に固定するのが吉。
だが、『食べないとバカになる!』とは言えそうにない、というのが現状らしい。常識ってやっぱり変わるなぁ。
ちなみに、普段凄まじいアウトプットを行うこの人も、朝食は摂らない主義だ。
これまた過度に気にしなくてもいいんじゃねーの、って塩梅になってきている、面白い通説である。
早起きリスペクト。
朝に強い人は、成功者や秀才の代名詞ともいえる。僕は朝に無茶苦茶弱いので、これを説かれるたびに忸怩たる思いを抱いたものだ。
だが最近、そんな寝坊助に朗報となる説が登場していた。
うひゃあ、すげぇタイトルだぜ。
これらによれば、『早起きをし過ぎるとかえってイライラする!』とか、『そもそも早起きが適しているか否かは遺伝子レベルの話』とのことだ。
となれば、その辺をガン無視して朝早くに登校させるシステムってそもそもどうなの、という話にも繋がるが・・。
世の中に不満を抱くこと請け合いなものの、読んでてすごく面白いお話であった。
終わりに。
ということで、ほんの10年かそこらでも、あれだけ流布していた説が廃れたり否定されたりするという、面白いことが分かった。
ますます何らかの論に固執する無意味さが、身に染みてわかってきた。これからも僕は、自分のどこかドライなところを大切にしたいと思う。
今回は塾とかその辺に全然関係ない話だったが、それでは今日はこの辺で。