この記事が出ていたので、ちょいとご紹介。
一応これは『東京』のお話らしいのだが、今回の休校措置を受けて、この記事みたく集団授業を提供する学習塾への風当たりは、全国的に強まったと感じる。
すると声高に出てくるのが、『Web授業を提供すればいいじゃない!』とか、『そもそも自学でなんとかなる!』という主張である。
ぶっちゃけ不安から出てきた一過性のモノならスルーして終了だが、日増しにこの声が多くなっているので、軽く私見を書いておきたい。
まず、これらの学習方法で成績が伸びる生徒は、残念ながら僕が思うに一定の条件がある。それは以下の通り。
① 偏差値が60程度の学力を持っている
② その科目が好き
③ 周りに管理者が居て、それが機能している
―少なくともこのどれかが無ければ、断言するがサボったり説明が理解できなかったりして、不毛な時間が過ぎること請け合いである。
僕自身も縁あってWeb授業を主とする予備校に通っていたのだが、上記の全てを持っていない生徒は大体ドロップアウトしていった思い出がある。
―この上で自分の受け持つ生徒の顔を思い浮かべると、このどれかを持つ割合は体感2~3割では?と感じる。つまり、過半数強の生徒には、多分マイナスに作用する。
だから僕は手放しに、『Web授業』や『自学』を無責任に推すのは怖くてできない。これで成績が伸びるのは、言ってしまえば元から頭が良い人たちだけだ。
それゆえに現在は、このデメリットを補いつつ、かつコロナ対策も取れる方法はないかと、頭をねじり上げている段階である。
―となれば一番に浮かぶのは、『Web個別』という形態である。タブレットやスマホ越しに、生徒と講師が1:1で授業を行う。
一般的な個別授業をそういった機器を介して行うイメージであり、色んなデメリットを補うには、現時点で一番の方法だと感じる。
また、アプリによっては画面に問題を拡大表示することもでき、例えば国語の読解等であれば、より詳細な説明がし易くなる。
しかしこれも、各家庭にそういった環境があることが前提であり、まだまだ地方だとそのインフラの普及率はそうでもない印象がある。(良いとこ6~7割)
これ以外にだと、『全ての窓を開放しての校舎授業』、『家庭教師』等のコンテンツが浮かぶのだが・・どれもこれもウィルス伝播のリスクが介在しており、不安である。
後は『Web授業』にせよ『自学』にせよ、インプットの時間が減りアウトプットの時間が増えるため、如何にコチラが『問題』を用意できるかも鍵だ。
アイデアは浮かぶのだが、同時にトレードオフの課題も浮かび、最高の形ではなく妥協点を探す形になっている。後は踏ん切りの話だ。
弱者切り捨てみたいな考えや対応は、最後の最後まで取りたくはない。そういう意味でも、『なぜWeb授業に切り替えないんだ!』という主張は、危うさを孕み過ぎている。
だからこそ、是非とも各家庭でも、何かしらの方法を考えてみてほしい。
このタイミングで書店に行くのも不安かもしれないが、例えば今こそ『参考書』等をじっくり見比べて、手に取るチャンスでもある。
他力本願と言われるかもしれないが、それはある意味お互い様だ。だからこそ、工夫は双方考え続けるべきだと感じている。
ということで、日増しに不安から出る感情論は強まってきており、全体から冷静さが消えつつある感覚がある。(ちなみに見出しと違い、上記の記事の内容はそうでもない)
光村図書の教科書本文ではないが、『ちょっと立ち止まって』という考え方、今こそ大事なのではと思っている。
―では、今日はこの辺で。