昨日は中3英語の授業があり、そこで【分詞】の授業を実施した。
普段自分がどんな教え方をしているかなんて、恥ずかしいから書いてこなかったが・・・。
昨日の授業は、何か知らないけど生徒側からの反応がすごくよかった。それこそ不思議な程に気分が良いくらいに。あやしうこそものぐるほしけれ。
だから今日は、あくまで【分析】を目的として、昨日の授業で何をしたかを出来る限り再現してみたいと思う。
導入の下ごしらえ。
まずは【分詞】を完全に放置して、『形容詞(節)の乱暴な確認』からスタートした。
例えば、『1匹のかわいいネコ』って言ってみ、と発問すると、大体もれなく
A cute cat
とはいえる。で、その後に追撃。『どんなネコかを説明している部分って、英語でいうとどこ?』と聞いてみた。すると、『cute』とも言える。(Aは別に説明じゃないのに注意)
ホントは少し違うらしいのだが、
一語で名詞を説明する場合は、原則、説明する語句の直前(左)に置く
というのをまずここで確認しておきたかったのだ。
で、次。
『崖の上のポニョ』を英語にすると、多分こうなるんよねと言いながら、以下のフレーズを板書した。(合ってるかは知らない)
Ponyo on the cliff
この後で、『【ポニョ】を説明している部分を日本語で言ってみ?』と発問。少し悩むも、『崖の上の』というのは言わせれた。
で、トドメ。『じゃ、【崖の上の】って、この英文だとどの部分?』と聞く。すると、『on the cliff』は言えるわけで。
―これを踏まえて、二単語以上で名詞を説明する場合は、原則、説明する語句の直後(右)に置くというのも、ここで確認しといた。
※得意なヤツに向けて、『大体説明する部分に前置詞がおるときは右や』という少し突っ込んだことも、一応話しておいた。
そして最後の仕上げってことで、『崖の上のポニョは面白いです。』という英文を言わせて確認した。
何とか一番苦手なヤツにも、
Ponyo on the cliff is interesting
と言わせることに成功。ちょっと一安心である。(これがなぜ大事かは、完全に話が反れるので保留)
―でこっから、いよいよ【分詞】の説明に入っていく。
僕は【過去分詞】って名前が嫌いなんですよね。
はい。【分詞】に入る前に、『そもそも君らは、それ自体は確実に習っているぞ』とジャブを打った。
まぁ、現在進行形と受動態で習うアイツらですね。それを伝えた上で、以下のを板書。
現在分詞 -ing 『~している』
過去分詞 例)takenとか 『~される/た』
―その後で、自分なりの爆弾を投下。
『俺は、過去分詞って名前が大嫌いなんだよね』
ちなみに、これは本心。見事に生徒が引いていた。
理由は簡単で、過去分詞は用法的に、過去ではなく、『受動か完了』のニュアンスで使うものだからだ。
※完了のニュアンスは、意外と高校生でも知らない。だから平気で【Don't leave the door opening.】って書いたりする。
さてさて。【分詞】の下ごしらえはこんな風にして終了。いよいよメイン指導に入る。
まず、以下の2つの日本語を、絵に描くよう伝えた。
①その走っている少年
②割られた窓
―するとそれぞれ、ざっくり以下の写真みたいな絵が描かれていた。
①
②
これで色々といっちょ上がりだ。
『イメージにしたらわかりやすいよね?例えば【その走っている少年】というフレーズ、-ingと過去分詞、どっちを使いそう?』
するとまぁ、-ingっぽいとはいえる。だって、『~している感』がありますから。
後はもう畳みかけるように説明。
『走っているとは【running】だよね?一単語じゃん?じゃぁ、名詞の左、右、どっち?』
―そして綺麗に全員が左という。感動。
後はちょいと訳を足して、以下の文を全員に書かせて、導入は終了。
その走っている少年はTomです。
The running boy is Tom.
―尚、もう一方のが、実は説明が難しい。だが、絵に描かせたので割とラク。
『この中で、【窓が今まさに、誰の力も借りずパリパリと割れている様】を想像したヤツは居るか?』
はい、見事にゼロ。『誰かに割られたから割れた』んだし、『既に割れ終わっている状態』だから。(細かい部分は分からなくてOK)
となれば、過去分詞を使うのは至極当然と納得してもらえる。だから、現在分詞と同じノリで説明すれば、以下の文まではするすると作れた。
その割られた窓は高かった。
The broken window was expensive.
ってことで、ただしここまではレベル5の内1.5と伝え、生徒を軽く絶望させてから次へと進んだ。
『名詞/~している、~される(た)/どこを?誰と?誰に?』
次はいきなり訳からスタート。(意味不明だが文法の説明のため、ということで)
公園を走っている少年はBobです。
僕はTimに割られた窓を知っています。
―これができるかどうかが、中学の分詞の出来を分けると僕は強く感じている。だから、まず必要なのはその感覚だ。
だからしばらくは質問攻めだ。
Q:まず、Bobとはどんな少年?
A: 公園を走っている少年!
Q: 『公園を走っている』って、一単語でイケる?
A: 無理!
Q: そういう時は、説明する語句の左?右?
A: 右!
Q: じゃあ、もうあと一息!
『少年/~している/どこを?』の順で、英語にしてって。
A: The boy/ running/ in the park !
Q: お見事!じゃあ、後はちょい足し。
『公園を走っている少年はBobです。』を英語でどうぞ!
A: The boy running in the park is Bob.
―はい、おめでとう!仕上がりました!
・・・・・・一方、過去分詞だと、やりとりはこんな感じになる。↓
Q:まず、どんな窓?
A: Timに割られた窓!
Q: 『Timに割られた窓』って、一単語でイケる?
A: 無理!
Q: そういう時は、説明する語句の左?右?
A: 右!
Q: じゃあ、もうあと一息!
『窓/~された/誰に?』の順で、英語にしてって。
A: The window/ broken/ by Tim !
Q: お見事!じゃあ、後はちょい足し。
『僕はTimに割られた窓を知っています。』を英語でどうぞ!
A: I know the window broken by Tim.
―はい、おめでとう!こっちも仕上がりました!
ただし、ここまでで35分くらい使ってしまったので、問題集に手は付けられなかった。
そのため、来週ダイジェスト版の授業の後、演習をメインにした時間は取る必要がある。それを差し引いても、有意義だったとは感じるけどもネ。
・・・・こういうのを『スモールステップ方式』とか、『スパイラル学習法』というそうだが、結構これって普遍的な指導法なのかなと思ったり。
やはりというか、既知の知識を結び付ける感覚があると、生徒としては気分が良いらしい。
指導の参考になれば嬉しい。では今日はこの辺で。