度々、僕は『教育はオープンソース化』し、『秘密にしておくことが価値を持つ時代は終わる』と書き散らしている。
とはいえ、ふと書いた記事を見直していると、自分が積極的にネタを公開しているかというと、微妙であるのに気づいた。
断っておくと、これは『企業秘密にしておこう』というみみっちさというより、『いや、恥ずかしいわボケ』という照れが強い。
だが、今日は流石にその照れを押し殺す。
この記事では、僕が授業で使ったところ、そこそこ(クラスの7~8割)に反応が良かった説明を公開する。(今日は英語)
『本質と違うぞボケ』とか、『分かりにくいぞコラ』という意見を持たれるかもしれないが、それまた誰かの思考の一助になるなら万々歳である。
ということで、以下、なるべく授業での口ぶりを再現しつつ書いてみる。
疑問詞:『What do you like?』の限界。
僕『ということで、Yes/Noで答えれない質問をするとき、疑問詞を使うんやったね』
『じゃあ、ちょっと英語で質問するから、英語で答えてみ』
『What do you like?』
生『I like baseball!』
僕『え・・俺、食べ物のつもりで訊いたんだけど・・』
『ってなれば、知らねーよって話だよね。でも、質問にちょいと工夫すれば、相手の答えを限定することは可能だよ』
『野球はジャンルで言えばスポーツだし、ギターはジャンルで言えば楽器。つまり、【何の○○~】という質問をすれば、答えはそのジャンルで限定されるよね』
『ということでさっきの質問は、【何の食べ物】と限定するべきだったということ。じゃあ、正確には?』
生『What... 【food】ってどこに置けばいいん?』
僕『そこは日本語と同じで、【何の+ジャンル】って順番でいいよ。つまり、【What food あなた好き?】って訊いたらOK』
生『じゃあ、What food do you like?』
僕『ナイス!こんな風に文ができてると分かれば、同じカラクリのモノは全部ちょちょいと変えるだけ』
『例えば、【今何時ですか?】と聞くときも、【何+時】だから、【What time】で始まるのはそういうことね』
―尚、この伝え方をしておくと、『Which』とかの説明もかなり楽になる。なるだけ根っこの仕組みを教えておくのがベターということだろう。
文法:不可算名詞の原則。
僕『数えられる名詞と数えられない名詞について、先生はなんて言ってた?』
生『液体は数えられないとかそんな!』
僕『それで大体はOK!でもそうだしたら、rice(お米)やbread(パン)、money(金)が不可算名詞な理由がチンプンカンプンじゃね?』
『ってことで、最低限知っとくと得をする原則を伝えるから、帰ってから自学なんかにまとめるといいよ』
『まず原則として、【最終的に1つにまとまるものは不可算名詞】ってのがある。』
『例えば水滴2つを考えてみると、指で引っ張れば1滴になるよね?こういうのが不可算名詞の考え方の1つだよ』
『・・・となれば、お金も同じ。10円玉が何枚あろうが、1万円札が何枚あろうが、最終的には【所持金】にまとまるよね。』
『他にも、数量を徹底したらめんどくさい【つぶつぶしたもの】や、【いくつに分割しても本質的に同じもの】も、不可算名詞扱いになるよ』
『前者の定義に当てはまるのが例えば『お米』で、後者に当てはまるのが、『パン』や『鶏肉』『豚肉』なんだよね。』
-という具合。正直小手先の説明なのだが、こっから先の本質的な理解は、興味がある生徒が独学なりなんなりで学べばいいと思うので割愛。
小ネタ:なぜ『a』と『an』、『the』と『複数形』は大事なのか?
僕『かなりめんどくさい『a』とか『an』とか『the』とか『複数形』についてだけど、今日は【それを付け忘れたとき】の話をしよう』
『例えば、以下の文がなんか違うのは、わかる?』
I want to be tennis player.
『ちなみに、答えは『a』がtennisの前に無いとダメということ。-でも、なんでダメかは聞いたことある?』
『これはダメと言うより、相手にどう伝わるかの問題なんだよ。基本、冠詞も複数形も付いてない名詞は、人名か地名。(不可算名詞は例外)』
『つまりさっきの文は、文法的には・・』
僕はテニス・プレイヤーさんになりたい。
『という意味に取られちゃうかもしれないんだよね。そういう意図じゃないなら、冠詞は忘れずに付けとくのがいいよ』
―ここはぶっちゃけ例外も反論も無茶苦茶あることだろう。
だがとりあえず、めんどくさい説明が大半を占める冠詞の授業で一笑い欲しいときは、僕は結構重宝している。
終わりに。
と言う風に僕は授業を組み立てている。
その際気を付けているポイントは以下の通り。
① 教科書を読んでるだけみたいな説明はしない
② まとめられる説明はまとめる
③ 今はちょろまかせても将来反例があるような教え方はしない。もししても、釘は必ずさす。
完全に若造の独り語りではあるが、皆様の参考になればありがたし。それでは今日はこの辺で。