今日は思い出話。
むかしむかし、大体10年前に、とある文系高校生がおったそうな。
そいつはとある地方国公立大学を志望しておったのじゃが、どうにも数学だけが、ボーダーに乗ったり・乗らなかったりだったらしい。
今なら「国語と英語がオーバーキルしてんだからいいじゃねーか!!」と思えるけどのう、当時の彼にとっては、そこが気掛かりで仕方なかったというワケじゃ。
生来の気にし過ぎが良くない方に転んだ典型例だのう。そして焦った彼は、センター3か月前から、荒技に打って出ることを決めたのじゃ。
『助けて裏技くん!』
それは、各参考書に載っている裏技と、公式の丸暗記全振りコースじゃ。彼は必死にそれを覚えておったわい。
「にえーぶんのまいなすびー、ぷらすまいなするーとびーのにじょうまいなすよんえーしー!」
「にぶんのいちえぬかっこえぬぷらすいち!」
―おぉ、見てて目から汗が出てきたわ。実際そいつは何だかんだで、それを空で言えるようにはなっておったのう。
はてさて、そやつの本番はどうなったのか。書いてみるとしましょうかの。
『助けて・・裏技くん・・』
想像に難くないじゃろう。必死に覚えたあの公式を、彼は全く活かせなかったのじゃ。
理由は簡単。丸暗記したせいでのう、どういう問題でどう使うかというプロセスの一切が抜け落ちていたからじゃ。
―そのせいで動揺したのか、彼は本来得意な分野もボロボロになり、数学の点がボーダーを思い切り割るという、ゲ○を吐きそうな結果になったのじゃとさ。
めでたし、めでたし・・・。
実力試験は丸暗記じゃ戦えないっすよ!
少々ふざけながら書いたが、これは僕の実話である。積分の面積問題の公式も必死で覚えたのに・・使うことなく終わってしまった。
おかげさまで帰宅後は、ショックでリアルに熱を出し寝込んでしまった。次の日には復活したし、英語と国語でそのミスはチャラに出来たけれど・・・ヒヤヒヤものだった。
丸暗記で戦えるのは、範囲が限定された定期テストだけだと見ていい。それか、同時に解法のいくつかも頭に入っていくような天才限定の話だ。
当時の僕を引っぱたいてでも、『過去問を解答復元練習しやがれぃ!』と説得したいくらいである。
皆様はそんな悲しく切ない受験にならないことを願いながら、今日はこの辺にしたいと思う。