以下のブログ記事を読んで以来、自分もその一人だということを秒速で理解し、何かマズいことをしているという思いが、頭をずっと支配している。
僕は自分の人件費を想像できない。正確に言うと、解像度があまりにも低い。貰っている給与明細の額面以上に、会社が払ってくれているということしかわからない。
こうなったら、もういけない。授業と授業の合間に、勉強せずにはいられない。ということでそこそこに労力と時間をかけて、この問題を調べてみた。
自分の人件費について、手触り感をもって理解するには、どうすればいい?
今日はそんなお話である。
まずは自分を雇うコストを算出する。
コストというのは算数だ。だから式さえわかれば、そこに数値を代入することで、欲しいそれを得ることができる。
幸い、同じような質問を考える人は多いようで、それを求める式について、根拠が付いたものをたくさん発見することができた。
それによれば、ヒトに関して発生するコストは、初期費用と維持費用に二分されるという。ただ僕に関する初期費用(求人募集等)は関係ないので、今回は無視する。
その上で維持費用として考えるべきなのは、【基本給・残業代・福利厚生費・社会保険料】の4つだという。
幸いにして、これらをシミュレーションした例も上記のサイトに載っていたので、自分の給与明細に書かれたデータを基に、ぽちぽちと計算してみた。
で、結果。
自分の年収をばらすのも憚られるので少しぼかしておくが、僕一人を雇うコストは、僕が受け取っている給与(手取りではない)の1.3倍程度かかっている計算になる。
しかもこれは年収の話だ。もっと当事者意識を持つためには、この数値を時給というところにまで落とし込む必要があると思える。
ただここは単純に割り算するしかないので、Excelでポチポチと計算することにした。(電卓だと一気に処理ができないので手間)
そしてありがたいことに、先月自分が何時間働いたか実はデータを残している(近似値だけど)ので、それを母数として計算する。
すると時給そのものは、優秀なアルバイトよりかは”低かった”。大体皆そうなるとは思うが、コンビニの深夜シフトくらいのそれであった。
―しかし、この額が、自分が授業を”していない”時間にも払われていると思うと、気が引き締まる思いだ。サボっていても入る額にしては、申し訳ないくらい多い。
そして自分の実働をお金に直すことは、色々と冷静にシフトを考える指標にもなる。内輪ネタだが、僕が1:1の個別を回すとき、それは単純に、なんと赤字を意味する。
良かれと思って授業を休日にぶち込むからには、僕を働かせる分の価値をきちんと生まねばならない。そう思うと、なら休んだ方がトクだと思えてしまう。
売上を増やすより、無駄を削減する方が、利益は作り易い。しかも圧倒的に、だ。無駄に僕を働かせることを止めればそれができるなら、そうすべきなのだ。
自分を働かせればタダ!そんなうんちみたいな考え方は、今日をもってきれいさっぱりかなぐり捨てようと誓った。
僕はペイできているのか?
後は、僕の時給を僕がペイできているのか、冷静にそれを知りたくなった。しかしそれを算出するには、必要な数(式)があまりにも足りない。
そしてあまりにも手掛かりがない。だからChat-GPTに丸投げする形で聞いてみた。
自分がどれくらい稼いでいるかを知るためには、以下の情報を計算する必要があります。
収入源の特定: 自分の収入源を特定しましょう。例えば、給与、フリーランスの仕事、投資からの収入などがあります。
収入の頻度: 収入が月給や週給など定期的に得られる場合は、その金額を把握しましょう。また、不定期な場合は、過去の収入を集計して平均を求めるなどして評価することができます。
所得税と社会保険料の控除: 収入から所得税や社会保険料が差し引かれている場合は、これらの金額を考慮する必要があります。税金や保険料の控除額は地域や個人の状況によって異なるため、正確な金額を把握するためには関連する法律や規則を確認することが重要です。
追加の費用や控除: 収入から必要な経費や控除を差し引いた場合、最終的な手取り額が求められます。例えば、交通費や事業に関連する費用、税務上の控除などが考慮される場合があります。
これらの要素を考慮して、収入を計算することで、自分がどれくらい稼いでいるかを把握することができます。ただし、正確な評価を得るためには、個人の財務記録や専門家のアドバイスを活用することをおすすめします。
死ぬほど単純にまとめれば、僕が授業一発で何円の売り上げ(利益)を出しているかを単純に掛け算すれば良いことになる。
しかし難しいのが、例えば生徒一人を入塾させることは何円の利益として計算すればいいのかという話だ。
ここはもう正確な値を出すことを諦めて、入会金・維持費を合計したものを計上することに決めた。
また、非常勤講師が上げた利益も、単純に割り算して校舎の長である自分の取り分に含めることとする。(だってそういうもんだし)
その上で計算すると、さてどうなるか。4月の僕が上げた売り上げは・・・・
なんとか自分の人件費はペイできていることが判明した。ほっと一息だ。ただ今思い出したが、僕はボーナスを計上していない。
それも含めたら一体どれくらいになるのだろうか。ちょっとめんどくさかったが、さっきのプロセスをやり直してみても、ペイはできていた。
労働力として赤字になる、つまりお荷物になっていることは無くて一安心だ。ならば次の目標は、更に利率を上げることに尽きる。
そしてそのためには、僕がしなくてもいい仕事を別の人に依頼し、それによって浮いた時間で僕が僕の役目を果たし、更に売り上げを取る必要がある。
「人を増やしてくださいよ!」「僕の取り分を増やしてくださいよ!」と吠えるだけのヤツにはなりたくない。
そのためには建設的な提案を会社にできないといけないし、そのためにはこういう地道な計算が必要なのだ。改めてそう悟った。
最近読み直している「ヤバい経済学」の影響を、いい意味で受けまくってよかったと感じている。
終わりに:長い説明の後にはブルーオーシャンがある。
いずれガッツリとした感想文を書こうと思っているが、西野亮廣氏の「夢と金」を僕も予約しており、発売と同時に読んだ。
そこで書かれていることは、まさに今の世の中のお金を巡るリアルであり、それについて無知であればあるほど、未来の可能性を自他共に殺すことに繋がる。
本当に恐ろしいのだが、この本に書かれていることと真逆の行動・言動・思考をしている僕の周りの人ほど、今の世に適応できず、燻り、アンチ活動に精を出している。
特に論理も根拠もなく不満を吠え続けたら、僕もそっち側ということか。それはマジでイヤだ。それもまた一つの、勉強に関する強力な原動力になっている。
―さて。その中で一つ、勉強好きであることをなじられる僕らにとって、すごく支えになる言葉がある。
それは、「新しい扉の前には、いつも長い説明がある」というものだ。大抵の人は、それに尻込みし、でも無知とは言いたくないから、評論家を気取ってしまう。
僕もそういう思考をしそうになるときはある。その度に猛烈に恥じて、2秒だけ反省したら、そのテーマを必ず手帳やKeepメモに書き留める。あとで調べるためだ。
ブロックチェーンも、NFTも、長大な説明にかじりついて、なんとか大枠を掴むところまでは学んだ。すると、不思議な感覚を覚えたものだ。
なんというか、余裕ができる。もちろんそれに悦に入ってはいけないのだが、知識の面であるところまで到達すると、安心して色々学びを広げられるのだ。
それに、長大な説明に尻込みして勉強しない人が圧倒的多数なのだから、そこを潜り抜ければ待っているのはブルーオーシャンである。
そういう意味でも、1日の何割かは最初から”勉強”に割いておくくらいがちょうどいいのだと、職業柄強く強く感じてしまう。
―最後は話が反れたけど、今日はこの辺で終わりとする。