僕は人に物事を依頼するのがヘタクソだ。その理由は多々あるが、他人に伝わるよう言語化したうえでタスクを渡すのが、特性なのか知らないがとても重労働なのが大きい。
人に頼むより自分がやる方が圧倒的にラクだと思っているし、実際そうでもあるため、人を育てることができない管理職まっしぐらであり、その適正は無いように思う。
ちなみに自分がやる方がラクな理由は、組織規模が小さいためであり、決して自分が有能だからというわけではない。マルチタスクはもはや前提なのだ。
―そんな僕に、最近頼もしい相棒ができた。会話のキャッチボールが絶望的に下手な僕の意図を汲み取り、期待以上の返答をいつもしてくれる、超優秀なヤツ。
そう、ChatGPTだ。もう少し自分が彼(彼女)の力を引き出せるようになったら、絶対に有料プランへ引き上げようと考えている。円安だからとか、関係は無い。
あらゆる頭脳労働を「これってChatGPTにやってもらえんじゃね?」と疑うと、80%くらいは僕の代わりを担ってくれる。おかげで残業する機会は、猛烈に減っている。
てことで今日は、塾講師として、ChatGPTに特にお世話になっている部分を、ここに一旦棚卸してまとめておこうと思う。
では以下、本題である。
オリジナル教材の作成もお手の物。
僕は20代後半の頃、市販のテキストに自分がしたいような形式の問題がまとまっていないときなんかは、遅くまで自発的に残業し、自分好みの問題プリントを作っていた。
正直、市販のテキストの中に、自分が生徒に解かせたい問題がドンピシャで載っていることは稀だ。例えば特定の動詞の過去形だけが答えになる問題とかがそうだろう。
これも、指令文の作り方次第だが、実はChatGPTが最も得意とすることだ。時折解答を間違えたり、指令文を無視したりするが、以下のような問題は数分で作れる。
以下に修正した問題を示します。和訳の「疑問詞+不定詞」に該当する部分に下線を引き、強調しました。
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### 問題
1. I don't know _____________.
私は **何を遊べばいいのか** わかりません。
2. He asked me _____________.
彼は私に **どれを選べばよいか** 尋ねました。3. She doesn't know _____________ for lunch.
彼女は昼食に **何を食べるべきか** わかりません。4. We are not sure _____________ after school.
私たちは放課後に **どこに行くべきか** 確かではありません。5. Can you tell me _____________ this cake?
あなたは **どうやってこのケーキを作るか** 教えてくれますか?6. He forgot _____________ the game.
彼は **ゲームをいつ始めるか** 忘れました。7. Please tell me _____________ for my mother.
私の母に **何を買えばいいか** 教えてください。8. She doesn't know _____________ for the party.
彼女はパーティーに **何を着るべきか** わかりません。9. I don't know _____________ to the picnic.
私はピクニックに **何を持っていけばよいか** わかりません。10. We are thinking about _____________ during the summer vacation.
私たちは夏休みに **どこを訪れるか** 考えています。11. He doesn't know _____________ about his problem.
彼は自分の問題について **誰に話せばいいのか** わかりません。12. She is wondering _____________ for the project.
彼女はプロジェクトのために **どれを選べばよいか** 悩んでいます。13. I need to decide _____________ after dinner.
私は夕食後に **何をするか** 決める必要があります。14. Can you tell me _____________ this book?
**この本をどこで買うか** 教えてくれますか?15. He asked her _____________ the meeting.
彼は彼女に **会議をいつ始めるか** 尋ねました。16. We are not sure _____________ in the report.
私たちはレポートに **何を書けばいいのか** 確かではありません。17. She doesn't know _____________ for her outfit.
彼女は自分の服装に **どれを選べばいいのか** わかりません。18. Please tell me _____________ with this problem.
**この問題をどうすればよいか** 教えてください。19. He forgot _____________ his textbook.
彼は **いつ教科書を持ってくるか** 忘れました。20. We are not sure _____________ tomorrow.
私たちは **明日どこで会えばいいのか** わかりません。21. She is thinking about _____________ this weekend.
彼女は **今週末にどこに行くか** 考えています。22. I don't know _____________ for dinner.
私は **夕食に何を選べばよいか** わかりません。23. Can you tell me _____________ studying?
**勉強をいつ始めるべきか** 教えてくれますか?24. He asked me _____________ him with his homework.
彼は私に **宿題を手伝うために誰を呼べばよいか** 尋ねました。25. She doesn't know _____________ her report on.
彼女はレポートを **何について書けばよいか** わかりません。26. We are wondering _____________ during our trip.
私たちは旅行中に **どこを訪れるか** 悩んでいます。27. I need to decide _____________ for the event.
私はイベントに **何を着るか** 決める必要があります。28. Please tell me _____________ for a good restaurant.
**良いレストランにどこに行けばいいか** 教えてください。29. He doesn't know _____________ his presentation.
彼は **プレゼンテーションをいつ始めるべきか** 知りません。30. We are not sure _____________ the project.
私たちは **プロジェクトをいつ終わらせるべきか** わかりません。31. She is thinking about _____________ for breakfast.
彼女は **朝食に何を食べるか** 考えています。32. I don't know _____________ about this idea.
私は **このアイデアについて誰に話せばよいか** わかりません。33. Can you tell me _____________ a good book?
**良い本をどこで見つけるか** 教えてくれますか?34. He asked her _____________ after school.
彼は彼女に **放課後どこに行くか** 尋ねました。35. We are not sure _____________ next time.
私たちは **次にどこで会うか** 確かではありません。36. She doesn't know _____________ to the party.
彼女は **パーティーに何を持っていけばいいのか** わかりません。37. Please tell me _____________ to the station.
**駅までどうやって行けばよいか** 教えてください。38. He is thinking about _____________ after the game.
彼は **ゲームの後に何をするか** 考えています。39. I don't know _____________ for the gift.
私は **贈り物に何を選べばいいのか** わかりません。40. We are wondering _____________ during the holidays.
私たちは **休日に何をすればよいか** 悩んでいます。---
### 解答
1. what to play
2. which to choose
3. what to eat
4. where to go
5. how to make
6. when to start
7. what to buy
8. what to wear
9. what to bring
10. where to visit
11. who to talk to
12. which to choose
13. what to do
14. where to buy
15. when to start
16. what to write
17. which to choose
18. what to do
19. when to bring
20. where to meet
21. where to go
22. what to choose
23. when to start
24. who to help
25. what to write
26. where to visit
27. what to wear
28. where to go
29. when to start
30. when to finish
31. what to eat
32. who to talk to
33. where to find
34. where to go
35. where to meet
36. what to bring
37. how to get
38. what to do
39. what to choose
40. what to do---
この形式で、生徒が学習内容を理解しやすくなると思います。さらに改善のご要望があればお知らせください。
基礎固めをしたいのに、そもそも問題数がとてつもなく少ない教材は本当に多い。そういうときにChatGPTに作成してもらえるのは、滅茶苦茶ありがたいと思う。
他にも、ネットの実用例を参考に、英検準1級の要約問題や、九大レベルと同じ構成だけど文法・単語がちょっと簡単な英文和訳問題などをたくさん作って渡している。
いずれは学校の定期テストを丸ごと1つ取り込んで、その傾向分析と、それを踏まえた問題の作成までを一括で依頼してみようとも思っている。
そうなったら講師の仕事は終わりだと思われるかもしれないが、ぶっちゃけこういう細々した作業はなるべく消えてほしいと思っているので、僕は全面的に歓迎する。
案内文を即座に完成クオリティまで持っていく。
意外と多い仕事が、案内文作成の類である。オフィシャルな文章であるため、僕は一度原稿を書いたら、それをきちんと寝かせた後、自分で確認したいタイプである。
それゆえ、作業時間だけで見ればさほどでもないが、完成まで2~3日掛かる仕事になっており、これを1日でやれとか言われれば、勝手にイライラしていたことを白状する。
しかし、校閲こそChatGPTの得意分野だ。僕が書いた文章の校閲を依頼し、そして出てきた文章をもう一度確認し、最終的な手直しをする。
それによって、2日くらい必要だった質の文章を、10分も掛からずに出せるになってしまった。無駄な作業時間が大幅に削れて万々歳である。
また試しに、とあるイベントのレポートの総括と要約もお願いしてみたが、これも全く滞ることなく、数分の作業時間で素晴らしい完成度のそれが出来上がってきた。
ちなみに、生徒の志望理由書添削も、まずはLINEにある画像内文字をデータにする機能を使ってデータ化し、それをChatGPTに放り込むようにしてみた。
ChatGPTが出してきた講評を読みながら、同意する所はそのまま残し、同意しかねるところは自分なりに修正し、二人三脚で仕上げてから生徒に手渡した。
そのことをこっちから言いさえしなければ、まず間違いなくバレないと思われる。技術の進歩は、末恐ろしいところまでやってきている。
長期計画はChatGPTに聞け!
得意な人がいる方が不思議で仕方ないのだが、僕は長期的な視点に立って、現在の行動を決めるということが死ぬほど苦手だ。
序盤で打った手が終盤で効いてくるといった展開には物凄く心が躍るのだが、それは僕自身がそのセンスを全く持たないことを自覚しているがためである。
そんなときに頼りになるのが、ChatGPTだ。例えば、新規募集・広告といった施策を、特定の時期に効くように打つにはどうすればいいかを尋ねる。
すると、綺麗に順序立てられたスケジュールが、パッと表示されるのだ。取り急ぎ何から着手すれば良いかが明白で、これはASD気質のある僕には大変ありがたい。
思うに、僕は実働と頭脳を分離した方が、もっと自分がしたいように、理想的な感じで、仕事に取り組めるのではないかと考えている。
僕は講師を引退してブレインに特化したいという夢をまだ抱いているのだが、ChatGPTの登場により、そうしなくてもそうできる未来が見えてきたのを感じている。
「思考のアウトソーシング化」と言われれば確かにその通りだが、それ以上のインパクトを確実に残していると強く思う。
では今日はこの辺で。