さっきからずっと酸っぱい液体が胃袋からせりあがってくる中元です。うぇ。
はい。今日のテーマは、タイトルの通りだ。一見正しいと思う以下の発言について、私見を書いてみたい。
「授業しても成績伸びないんだから、演習ばっかりさせよう!!」
まぁこれは、講師からすれば超絶ラクができて、しかも科学的なエビデンスもある、この上なく都合がよい論ですよねぇ、と。そこは僕も、否定しない。
しかし、これを錦の御旗に掲げて生徒に説くのは、工夫ゼロだと非常に危険な罠と化す、実はわかりにくい諸刃の剣なのだ。
今日はそないなお話。
演習ばかりさせると、こう思われる。
ってことで、極端だけど、実際にあった例を紹介しよう。とある生徒の成績を伸ばすため、ひたすらに演習・演習・演習という時間を用意した講師がいる。
塾の教材、学校のワーク、その辺を来たらすぐに開かせて、授業時間いっぱい黙々と解かせるのだ。
さて。そんなことを続けたらどうなったか。そのうち、その生徒がずるずると休みがちになっていった。3週間に一度、体調不良という連絡が来るようになったのだ。
そしてついに、ご家庭から結構重めの相談を食らうことになる。「いっても教わらずに解くだけだからいきたくない」と当人が漏らしているとのことだった。
―そう。問題を解いたら成績が伸びるのはその通りだが、それを徹底すると、つまり放置と同じなのだ。しかも教材は、自分でも普通に用意できるものなら猶更だ。
家じゃない場所で、家でもできることをやってるだけ。こういう醜聞が広まれば、そんな塾など一瞬で吹き飛ぶだろう。
こちらが工夫ゼロでラクをできるような打ち出の小づちは、やはり存在しない。何度思い返しても、身が引き締まる実例である。
授業と演習をどう設計するか?
ここから先の話は、まだ僕も手探りの段階なのだが、思考の整理とアイデアのシェアを兼ねて、いっちょ前に書いておこうと思う。
思うに、あるポイントが少なくとも1つ以上入っていれば、その時間を【放置】と取られることは基本無い。
逆に言えば、下記の要素がいずれもなければ、それは自習と同じであり、特に付加価値は生めていないと考えた方が良い。早速列挙しよう。
① 15分程度の説明
② 勉強法の説明
③ オリジナル教材の配布
④ 質問を受ける時間
こんなところだ。こんなものは当たり前と思われるだろうが、きれいにこれらを無視して解かせる一辺倒の人も、中にはいるのだ。
ところで、なぜ15分程度の説明なのか?それは過去に記事にまとめたので割愛するが、説明では成績を伸ばせないことは、ほぼ証明されているためである。
jukukoshinohibi.hatenadiary.com
―これを根拠に、説明を削ることを良しとする人もいる。自分が喋らなければ喋らないほど点が伸びる、と。
しかし、忘れてはいけないのは、成績向上のみが、塾の商品ではないということだ。何のテクニックも、考え方も、観点も伝えられない時間に価値は無いのである。
わかり易い説明は、自分で言うのも恥ずかしいけど、感動を生むものである。そして得てして、口コミを生むのはこういう感動を覚えてくれた生徒やご家庭なのだ。
そのドミノの一枚目を倒すためにも、やはり講師は説明の技術を常日頃から磨かなければならないよなと、もはや強迫観念レベルで僕は受け止めている。
ということでまとめると、
説明は感動と口コミを生み、演習は成績向上を生む
という話なのだ。つまり両輪の話であり、どちらかが欠けても、致命的ということなのである。
この観点から考えると、代々木も東進もどこもかしこも、知名度やブランドがすごい塾は、この両方の設計の完成度が極めて高い。
また一つ大きなヒントに触れた気がするが、これを踏まえてどうするかは、やはり今後も僕の大きな課題になりそうである。
ってことで、今日はこの辺で。