こないだ、『ちょっと授業のとき、うるさい』という指摘を受けた。ちなみにこれは集団授業のお話。
そのお方は結構『シン・・・』とクラスを静めるタイプなので、僕のは多少ワチャるくらい、バランス取れていいか・・と考えていたのだが、少し行き過ぎていたらしい。
うーーーーん、しゃーない、しゃーないなぁ。
断言するが、頭ごなしの叱咤も、ルールの厳罰化も、制御に関しては最悪の手段だ。
もう人はそれで動かないのですよ。動かなかった僕が言うんだから間違いねぇぜ。
ってことで僕はどんな変化球を使ったか?参考になるかもしれないのでちょっとまとめてみる。
まず始めたのは、具体的な分析。
さてさて。現状を掴まないままだと、不安だけが募って終わる。だからまずは、具体的にどううるさいかを分析することからスタート。
すると、確かにと思う心当たりは2点出てきた。
① 説明中の質問
② 演習中の愚痴(できーん、わからーんみたいな)
―先に言い訳します。授業時間が45分あったら、30分は静かです。でも、15分もワチャワチャさせんなというお叱りだったのです。はい。
さてさて。ここについてどう説けば生徒に伝わるかなーってのも、次に考えていった。
何度も伝えているが、僕は教師の言うことに疑問を抱きまくり、こっそり反抗しまくった、義務教育におけるカスである。
だからこそ、『おめーの言うことなんて聞くかいな!』と思うポイントは、ぶっちゃけ熟知している。
それは、『特に説明の無い厳罰化』と、『ルールを設定しながら自分は破っているとき』なのだ。つまり、それらは踏んではならない地雷。
―それらを慎重に踏まえれば、僕が取るべき戦略は見えた。
① 『なぜそれをしてはいけないのか』という論理的な説明。
② 自分(僕)にも、ルールを定め、それを絶対に守る。
③ できるところはゲーム化する。
てな感じ。
じゃ、実際に話してみた様子を、なるべくライブっぽく再現してみよう。
実際はどうなったか?
まずは、『さすがに最近ちょっとにぎやかすぎるから、少しその辺について話そうかー』と、真面目に切り出した。教室の空気が少し張る。
―その上で僕が伝えたのは、理想の授業である。例えば45分の尺なら、5分をフリーにして、20分を説明、20分の演習が理想だと、偽りなく伝えた。
それで前置きしたうえで、『でも俺が君らにリクエストしたいことは、極論2つしかない』と切り出した。
その内容は以下の通り。
① 説明中に質問しない。してもスルーする。ただし後で拾う。
② 演習中に愚痴を言わない。言ったら机をコツコツ叩いて警告。
―そして②については、『ただし即座にポジティブな言葉に変えたら許す』とした。(おのアイデアは、以下のブログを思い切りパクらせていただきました)
―でだ。ここで少しスパイスを入れた。
『一旦聞くが、君らはこの先生の言うことは聞きたくないと思う人の特徴は何かあるか?』
―すると、出るわ出るわ、色々幼き日の僕が考えていたアレコレが。差別!自分は守らない!話が超長い!等々。うーん、胃が酸っぱい。
―その上で、僕が用意してきたキラーワードを切り出してみた。
『この時間の目的は、"成績を上げる"ことにあるんよ。
説明中に質問するのも、ネガティブなことをいうのも、この目的に思い切り反してる。
例えば、説明がブツブツ切れれば、質問したヤツも含めて誰もそれがわからない。幸せになるヤツはゼロ。
そしてネガティブは伝染する。誰かが面倒と言った問題を、嬉々として解けるヤツはまずいない。
やっぱ、言ったヤツ含めて誰も幸せにならないんよ。』
―で。
『ただし、一方的にルールを作り、君らだけに守らせるのもオカしいと、俺は考えてる!
なぜか?俺は元々劣等生の出だから!そんなことする人の言うことは、聞きたくない!
だから俺も、この目的に合ったルールを設定し、それを死守する!
俺が破った暁には、”お前が言うな”の大合唱で、構わん!』
―と、熱っぽくクロージングに移った。そして僕が生徒に提示したルールは以下の通り。
① 説明は何があっても20分を超えない!(タイマーをセットし強制的に切る)
② 演習中は一言も話さない。
(実は残り○分とか、問題の難易度の感想とか、結構言っちゃってましたてへぺろ)
そして最後は円満に『じゃ、今日から実践な!』と結び、タイマーをセット。俺はマジだという姿勢を早速示す。
―その日は不思議と冴えて、説明が20分ピッタリに収まった。ピピピ音と終了が重なったとき、生徒から『おぉー』と漏れて、気分が良かったです。
そんな姿を見せられたらどうなるか・・・。さすがにいきなり100%の達成は難しいが、『目的のためのルール』を守ろうとする姿勢をはっきりと僕は感じた。
それを見て褒めたい気分すら我慢。だって、今は演習中だから・・・!
己と生徒の成長を感じた、濃い時間であった。
―これが直接通じるかどうか、あなたの問題は僕のとは違うので何とも言えない。もしかしたらこれは邪道で、通じた方がただの奇跡なのかもしれない。
でも、こういう手もあると学べたのは確かだし、カミナリを落とさずとも制御できる術があるのも間違いなさそうだ。
もちろんこれはしばらく徹底して刷り込まねばならないが、その覚悟はできている。結局は覚悟なのかもしれない。
―ということで、何かの参考になれば嬉しい。では今日はこの辺で。