僕は、自分のキャリアについて、あと1・2年ほどで「ただの講師」からは引退しなければならないという考えを持っている。
ただ、「引退」という言葉が適切かどうかについては、まだ完全に腑に落ちていない部分もあった。そのため、その言葉が適切か否かは、これまで丁寧に考えてきた。
その結果、現時点では「引退」ではなく「方針を決める」という表現のほうがしっくりくるのではないかと思い始めている。
ちょうど高校生が文系・理系を選択するように、僕自身も「ただの講師」という曖昧な立ち位置に区切りをつけ、次の進路を明確にする時期に来ていると思うのだ。
今日はそんな話を整理する記事である。
講師そのものに徹するか、それとも・・。
塾講師として働くにおいて、考えられる選択肢は、大きく分けて2つある。1つは、講師としての道を極め、授業一本で勝負する道だ。
自分の授業力を極限まで高め、どんな生徒もグングン伸ばせるようなスーパー講師。この究極の場所を目指し、いわば「講師道」を突き詰めるという道である。
2つ目は、教壇に立つことではなく、運営や経営に軸足を移すという道だ。教えるということそのものを、一つのチャンネルに過ぎないものとして考える道、ともいえる。
授業を武器に生徒を引っ張るのではなく、校舎の管理や経営、人事、資金管理といった 裏方の仕事にシフトし、塾そのものをプロデュースする立場へと移行する。
そしてここには、他の講師、ひいては塾全体の評価を戦略的にコントロールすることも含まれる。選手を退いて監督やコーチになること、と言ってもいい。
とはいえ僕は、ちょっと前に、「指導力という意味では自分の技量などピークに達している」と書いた。これ自体は、今もそう思っている。
正直本音を言うと、「ただ教えるだけ」なら、アルバイトでも務まる仕事だ。正社員として働く以上、そこに安住するべきではない。それが僕の思うことだ。
しかしながら、先述の通り、授業一本で生きる講師としての限界はとっくに見えている。ならば、自然と進むべき道は、「経営・運営」にシフトすることに繋がるのだ。
ここまで書いて、過去感じたことないほどすっきりした。僕が今まで引退と称していた考え方は、多分「移行」と呼んだ方が正しいように思えてきた。
塾講師はいずれ、教えるだけという立場に甘んじられなくなる。それでもその指導力・授業力を求道するなら、それ自体僕は別に素晴らしいことだと思っている。
だがその相手は、全国区の大手塾で、映像授業という分身でさえも生徒の実力を高めるような化け物も含まれてくる。そんな世界で勝てると思うほど僕は楽天家じゃない。
となれば、僕が自分を活かせる道とは恐らく、授業そのものを退いた先、言い換えれば授業以外の業務、授業以外の必要なあれこれに開いているのだろう。
その未来を想像してみる。僕は授業からほぼ足を洗っている。毎日の仕事は授業そのものの管理と、広報活動の仕込み。保護者対応に奔走し、満足度も狙って高め続ける。
その傍らでは生き生きと授業をする人たちがいて、生徒たちは皆楽しそうだ。ふと耳を傾ければ、点数が上がった、進路を決めた、そんな前向きな報告が飛び交う。
なんてすばらしい世界なんだろうかと思った。僕が塾講師として体現したい光景とはまさにそれであり、自分が100人を前に最高の授業を提供すること、ではないのだ。
そのためには講師として出すべき結果を全部出しつつ、自分で勝手にセルフ管理職とでもいうべきポジションの移行を果たし、そちらの結果も求められることは判っている。
我を通すために結果が要る。この1年、どん欲にそれを追いかけたいと思う。では今日はこの辺で。